洞爺湖有珠山ジオパークの見どころ!火山のおはなし

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Volcano

Story of volcano 火山のおはなし

洞爺湖有珠山ジオパークの魅力は、11万年前から繰り返されてきた火山活動による大地の変動とその豊かな恵みを体感できることです。
有珠山山頂からパノラマビューをのぞむ有珠山ロープウェイ。歩く速度で大地の鼓動を感じられるフットパス(散策路)や登山道。噴火災害の脅威を伝え、防災知識と学びを深める火山遺構や火山科学館。この大地の公園は、火山大国日本の中でも活動的な地域として世界でも類を見ない大変貴重な学びの場となっています。

洞爺湖有珠山ジオパークのキャッチフレーズは「変動する大地との共生」です。はるか昔から幾度となく繰り返されてきた噴火によって、まさに大地が変動し、洞爺湖ができ、有珠山がうまれ、現在の美しい地形となりました。そしてその変動は今も、この先も、続いていきます。 火山と共に生きてきた人々の歴史、噴火の脅威に備えて暮らしてきた人々の防災の知恵、そして火山活動で変動してきた大地がもたらす恵みについて、ほんの少しだけお話しします。

History 火山活動の歴史

洞爺湖の南岸にそびえる有珠山は、今も活動を続けている活火山です。有珠山の麓から山頂付近までに多数の噴火口があり、繰り返された噴火の歴史と荒々しい火山の迫力を体感することができます。

有珠山の誕生は約2万年前といわれます。その後明らかになっているだけで1663年以降、2000年までになんと9回も噴火を繰り返し、数十年おきに大地を変動させてきました。

昭和新山も、有珠山の火山活動によって麦畑が隆起して形成された溶岩ドームです。

火山と大地の迫力に目を奪われますが、ここでさらに注目したいのは、この活火山のすぐそばで太古の昔から人々が暮らしつづけてきたという事実。

有珠山周辺では縄文文化・アイヌ文化が栄えていたことを意味する遺跡が多数見つかっています。

Disaster 火山災害の脅威

火山活動は地殻変動や火砕流、泥流などの災害を引き起こします。有珠山もこれまでに様々な災害を起こし、多くの犠牲も出してきました。災害の脅威を伝える火山遺構も多数保存されています。

数十年おきに繰り返される有珠山噴火。もっとも直近は2000年の山麓噴火です。国道や住宅のある場所で起きたその噴火は、西山山麓・金比羅山付近に多数の火口をつくり、地殻変動・熱泥流・噴石もありましたが、この噴火による直接的な犠牲者は出ませんでした。

噴火の兆候をいち早く捉え、住民の事前避難が成功したため、橋が流されるほどの大きな災害であったにも関わらず、死者・負傷者は出なかったのです。

金比羅火口災害遺構散策路や噴火遺構公園などを歩けば、その災害の大きさをまざまざと知ることができます。
「火山との共生」は、ここで暮らす人々の長いあいだの苦労と犠牲から得られた知恵と知識と学びの上に成り立っています。

Gifts 火山がもたらす恵み

有珠山は繰り返す噴火によって大地を変動させる中で、景観美のみならず、農産物がよく育つ肥沃な土地と豊富な魚介類、湯量豊富に湧き出す温泉など、実に多くの恵みをもたらしてくれています。

まずひとつは、豊かな食材の数々。
噴火による火山灰や軽石が混ざった土壌は、ミネラルを含み水はけが良く、果物がよく育ちます。洞爺湖周辺の平らな火山灰台地は野菜の栽培に適した耕作地となっています。
新鮮な魚介類もとても豊富です。岩礁が多く入り組んだ地形の噴火湾は、魚や貝など海の生き物たちの格好の住処。この湾の地形には約1万年程前に起こったという有珠山の岩屑なだれが関係しています。
さらに、牛や豚、鶏などの酪農・搾乳にも、のびのびとした雄大な大地と優れた土地・水が一役買っています。

洞爺湖有珠山ジオパーク内の食材だけでフルコースが作れるといわれるほど、食材の宝庫となっています。

洞爺湖有珠山ジオパークは、バラエティ豊かな温泉が豊富に湧き出す温泉天国でもありますが、これらの温泉もまさに火山活動と大地の恵みです。

洞爺湖温泉と壮瞥温泉の起源は1910年。有珠山の山麓噴火によって上昇した地下のマグマが地下水を温め、あたり一帯が泉源となったのです。

北海道内でも有数の温泉観光地として年間を通して大勢のツーリストでにぎわう洞爺湖温泉の他にも、多くの湯どころがあり人々を楽しませ、癒しています。